NPO法人は、定款で定めた目的の範囲内で権利を有し義務を負います。

また定款は、当該法人の目的、組織、業務執行等に関する基本規則(ルール)を記載したもので、法人内部の規範として役員、社員、機関(総会、理事会)および法人の構成員全員を拘束します。

このように、NPO法人設立、運営上、定款は重要な書類であります。

ここでは定款のサンプル(例)を公開し、定款作成の参考にしていただきたいと思います。

定款を作成する前に…

定款には下記の3つのルールがあります。自由に記載する、記載しない内容を決めていい訳ではありません。

  1. 絶対的記載事項… 必ず記載しなければならない事項
  2. 相対的記載事項… 定款へ記載しなくてもいいが、記載しなかった場合効力が生じない事項
  3. 任意的記載事項… 記載するか否かは自由。記載がなくても定款の効力には関係がない。

これらの内容に気を付けて作成しましょう。詳しくはこちら

Contents

第1章 総則

【名称】

第1条 この法人は、特定非営利活動法人●●会という。

【事務所】

第2条 この法人は,主たる事務所を宮城県●市●●区●●町●丁目●番●号に置く。

2 この法人は、従たる事務所を宮城県●●市●●区●●町●丁目●番●号に置く。

【目的】

第3条 この法人は、▲▲に対し、■■■■■行い、●●に寄与することを目的とする。

【特定非営利活動の種類】

第4条 この法人は、次の種類の特定非営利活動を行う。

(1)保健,医療又は福祉の増進を図る活動
(2)社会教育の推進を図る活動
(3)まちづくりの推進を図る活動

ポイント!

NPO法人設立はんな内容でも自由に設立できる訳ではありません。重要な事はNPO法人の目的が「社会貢献」です。社会貢献を目的としない場合、設立はできません。

「目的」は自由に決めることはできません。法令で予め決まっている内容から選択することとまります。詳しくはこちらをどうぞ。

【事業の種類】

第5条 この法人は、第3条の目的を達成するため、次の事業を行う。

(1)特定非営利活動に係る事業

① 講習会・セミナー開催に関する事業
② 地域観光振興に関する事業

(2)その他の事業

① 駐車場運営に関する事業

2 前項第2号に掲げる事業は、同項第1号に掲げる事業に支障がない限り行うものとし、収益を生じた場合には,同項第1号に掲げる事業に充てるものとする。

第2章 会員

【会員の種類】

第6条 この法人の会員は、次の2種とし、正会員をもって特定非営利活動促進法(以下「法」という。)上の社員とする。

(1)正会員
(2)賛助会員

ポイント!

ここでの「正会員」とは、一般的な会社の社員や従業員のことではなく、NPO法人設立に必要は発起人の事で、総会で議決権を有する者のことです。

この「正会員」は、個人または法人、人格のない社団(任意団体)であればよく、国籍、住所地域等の制限はありません。また、NPO法人の役員(理事、監事)を兼ねることもできます。

詳しくはこちらをどうぞ。

【入会】

第7条 会員の入会については、特に条件を定めない。

2 会員として入会しようとする者は、文書で代表理事に申し込むものとする。代表理事は正当な理由がない限り、入会を認めなければならない。

3 代表理事は、前項の者の入会を認めないときは、速やかに、理由を付した書面をもって本人にその旨を通知しなければならない。

【入会金および会費】

第8条 会員は、総会において別に定める入会金及び会費を納入しなければならない。

【会員の資格の喪失】

第9条 会員が次の各号のいずれかに該当する場合には、その資格を喪失する。

(1)退会の申出があったとき。
(2)本人が死亡し,又は会員である団体が消滅したとき。
(3)継続して1年以上会費を滞納したとき。
(4)除名されたとき。

【退会】

第10条 会員は、退会しようとするときは、その旨を文書で代表理事に提出して、任意に退会することができる。

【除名】

第11条 会員が次のいずれかに該当するときは、総会の議決により、その会員を除名することができる。この場合、その会員に対し、議決の前に弁明の機会を与えなければならない。

(1)法令,定款等に違反したとき。
(2)この法人の名誉をき損し,設立の趣旨に反し,又は秩序を乱す行為をしたとき。

【拠出金品の不返還】

第12条 既に納入した入会金、会費及びその他の拠出金品は,これを返還しない。

第3章 役員及び職員

【役員の種類、定数および選任等】

第13条 この法人に、次の役員を置く

(1)理事人以上■以下
(2)監事人以上■人以下

2 理事のうち、1人を代表理事、■人を副代表理事とする。

3 理事及び監事は、総会において選任する。

4 代表理事及び副代表理事は、理事の互選とする。

5 役員のうちには,それぞれの役員についてその配偶者若しくは3親等以内の親族が1人を超えて含まれ、又は当該役員並びにその配偶者及び3親等以内の 親族が役員の総数の3分の1を超えて含まれることになってはならない。

6 監事は、理事又はこの法人の職員を兼ねることはできない。

ポイント!

役員(理事)の選任する時は下記について気を付けましょう。

  • 選任数
  • 欠格事由
  • 各役員について、その配偶者もしくは三親等以内の親族が2人以上いないこと。また当該役員ならびにその配偶者および三親等以内の親族が、役員総数の3分の1を超えて含まれないこと。

それぞれの役員の役割についてはこちらをどうぞ。
役員の欠格事由についてはこちらをどうぞ。

【役員の職務】

第14条 代表理事は、この法人を代表し、業務を総理する。

2 副代表理事は、代表理事を補佐し、代表理事に事故があるとき又は代表理事が欠けたときは、その職務を代行する。

3 理事は、理事会を構成し、この法人の業務を執行する。

4 監事は、次に掲げる職務を行う。

(1)理事の業務執行の状況を監査すること。
(2)この法人の財産の状況を監査すること。
(3)前2号の規定による監査の結果,この法人の業務又は財産に関し不正の行為又は法令若しくは定款に違反する重大な事実があることを発見した場合には,これを総会又は所轄庁に報告すること。
(4)前号の報告をするために必要がある場合には,総会を招集すること。
(5)理事の業務執行の状況又はこの法人の財産の状況について,理事に意見を述べること。

【役員の任期等】

第15条 役員の任期は2年とする。ただし、補欠のため、又は増員によって就任した役員の任期は、それぞれの前任者又は現任者の任期の残存期間とする。

2 役員は、辞任又は任期満了後においても、後任者が就任するまでは、その職務を行わなければならない。

3 役員は、再任されることができる。

4 第1項の規定にかかわらず,後任の役員が選任されていない場合には,任期の末日後最初の総会が終結するまでその任期を伸長する。

【欠員補充】

第16条 理事又は監事のうち、その定数の3分の1を超える者が欠けたときは、遅滞なくこれを補充しなければならない。

【役員の解任】

第17条 役員に、職務上の義務違反その他役員としてふさわしくない行為があったとき、又は心身の故障のため職務の執行に堪えないと認められるときは、総会の議決により、 その役員を解任することができる。この場合,その役員に対し、議決をする前に弁明の機会を与えなければならない。

【役員の報酬】

第18条 役員には報酬を与えることができる。ただし,役員のうち報酬を受ける者の数が役員の総数の3分の1以下でなければならない。

2 役員には、その職務を執行するために要した費用を弁償することができる

3 前2項に関し必要な事項は,総会の議決を経て,代表理事が別に定める。

ポイント!

役員全員が報酬を貰る訳ではありません。役員総数の3分の1までの人だけが貰えます。

詳しくはこちらをどうぞ。

【職員】

第19条 この法人の事務を処理するため、この法人に事務局長その他の職員を置く。

2 職員は、代表理事が任免する。

第4章 総会

【総会の種別】

第20条 この法人の総会は、通常総会及び臨時総会の2種とする。

【総会の構成】

第21条 総会は正会員をもって構成する。

【総会の機能】

第22条 総会は、以下の事項について議決する。

(1)定款の変更
(2)解散及び解散した場合の残余財産の帰属
(3)合併
(4)事業計画及び収支予算並びにその変更
(5)事業報告及び収支決算
(6)役員の選任又は解任,職務及び報酬
(7)入会金及び会費の額
(8)会員の除名
(9)その他,理事会が総会に付すべき事項として議決した事項

【総会の開催】

第23条 通常総会は,毎年1回開催する。

2 臨時総会は,次に掲げる事由により開催する。

(1)理事会が必要と認め招集の請求をしたとき。
(2)正会員総数の5分の1以上から,会議の目的たる事項を記載した書面をもって招集の請求があったとき。
(3)第14条第4項第4号の規定により,監事から招集があったとき。

【総会の招集】

第24条 総会は、前条第2項第3号の場合を除いて、代表理事が招集する。

2 代表理事は前条第2項第1号及び第2号の規定による請求があったときは、その日から■■日以内に臨時総会を招集しなければならない。

3 総会を招集するときは、会議の日時、場所、目的及び審議事項を記載した書面により、少なくとも5日前までに通知しなければならない。

【総会の議長】

第25条 総会の議長は、その総会において、出席した正会員の中から選任する。

【総会の定足数】

第26条 総会は、正会員総数の2分の1以上の出席がなければ開会することができない

【総会の決議】

第27条 総会における議決事項は、第24条第3項の規定によりあらかじめ通知された事項とする。

2 総会の議事は、この定款に別に定めるもののほか、総会に出席した正会員の過半数をもって決し、可否同数のときは、議長の決するところによる。

3 議決すべき事項について特別な利害関係を有する正会員は、その事項について表決権を行使することができない。

【総会における書面表決等】

第28条 やむをえないやむを得ない理由により総会に出席できない正会員は、あらかじめ通知された事項について書面をもって表決し、又は他の正会員を代理人として表決を委任することができる。この場合において、前2条及び次条第1項第3号の規定の適用については、出席したものとみなす。

【総会の議事録】

第29条 総会の総会の議事については,次の事項を記載した議事録を作成しなければならない。

(1)日時及び場所
(2)正会員の現在数
(3)総会に出席した正会員の数(書面表決者及び表決委任者がある場合にあっては, その数を付記すること。)
(4)議長の選任に関する事項
(5)審議事項
(6)議事の経過の概要及び議決の結果
(7)議事録署名人の選任に関する事項

2 議事録には,議長及びその会議において選任された議事録署名人2人が署名及び押印しなければならない。

第5章 理事会

【理事会の構成】

第30条 理事会は、全理事をもって構成する。

【理事会の機能】

第31条 理事会はこの定款に別に定めるもののほか、次に掲げる事項を議決する。

(1)総会に付議すべき事項
(2)総会の議決した事項の執行に関する事項
(3)その他総会の議決を要しない業務の執行に関する事項

【理事会の招集】

第33条 理事会は、代表理事が招集する。

2 代表理事は、前条第2号の規定による請求があったときは、その日から■■日以内に理事会を招集しなければならない。

3 理事会を招集するときは、会議の日時、場所、目的及び審議事項を記載した書面により、少なくとも5日前までに通知しなければならない。

【理事会の議長】

第34条 理事会の議長は、代表理事がこれに当たる。

【理事会の定足数】

第35条 理事会は、理事総数の過半数の出席がなければ開会することができない。

【理事会の議決】

第36条 理事会における議決事項は、第33条第3項の規定によりあらかじめ通知された事項とする。

2 理事会の議事は,理事総数の過半数をもって決し,可否同数のときは,議長の決するところによる。

3 議決すべき事項について特別な利害関係を有する理事は,その事項について表決権を行使することができない。

【理事会における書面表決】

第37条 やむを得ない理由のため理事会に出席できない理事は、あらかじめ通知された事項について書面をもって表決することができる。この場合において前2条及び次条第1項第3号の規定の適用については、出席したものとみなす。

【理事会の議事録】

第38条 理事会の議事については,次の事項を記載した議事録を作成しなければならない。

(1)日時及び場所
(2)理事の現在数
(3)理事会に出席した理事の数及び氏名(書面表決者にあっては,その旨を付記すること。)
(4)審議事項
(5)議事の経過の概要及び議決の結果
(6)議事録署名人の選任に関する事項

2 議事録には、議長及び出席した理事のうちからその会議において選任された議事録署名人2人が署名及び押印しなければならない。

第6章 資産及び会計等

【資産の構成】

第39条 この法人の資産は,次に掲げるものをもって構成する。

(1)設立当初の財産目録に記載された資産
(2)入会金及び会費
(3)寄付金品
(4)事業に伴う収入
(5)資産から生じる収入
(6)その他の収入

【資産の管理】

第40条 この法人の資産は、代表理事が管理し、その方法は、総会の議決を経て、代表理事が別に定める。

2 この法人の資産は,これを分けて会計区分に基づいて区分して管理する。

【会計の種類】

第41条 この法人の会計は、法第27条各号に掲げる原則に従って、行うものとする。

【会計の区分】

第42条 この法人の会計は、次のとおり区分する。

(1)特定非営利活動に係る事業に関する会計
(2)その他の事業に関する会計

【事業年度】

第43条 この法人の事業年度は,毎年○月○日に始まり,翌年△月△日に終わる。

【事業計画及び予算】

第44条 この法人の事業計画及びこれに伴う収支予算は、代表理事が作成し、総会の議決を経なければならない。

2 前項の規定にかかわらず、やむを得ない事由により予算が成立しないときは、予算成立までは、前事業年度の予算に準じて収入支出することができる。

3 前項の規定による収入及び支出は、新たに成立した予算に基づくものとみなす。

4 予算成立後にやむを得ない事由が生じたときは、総会の議決を経て、既定予算の追加又は更正をすることができる。

【事業報告および決算】

第45条 この法人の事業報告書等の決算に関する書類は、毎事業年度終了後、速やかに、 代表理事が作成し、監事の監査を受け、総会の議決を経なければならない。

第7章  定款の変更・解散及び合併

【定款の変更】

第46条 この定款を変更しようとするときは、総会において出席した正会員の4分の3 以上の議決を経、かつ、法に定める軽微な事項に係る定款の変更の場合を除いて、所轄庁の認証を得なければならない。

【解散】

第47条 この法人は、次に掲げる事由により解散する。

(1)総会の決議
(2)目的とする特定非営利活動に係る事業の成功の不能
(3)正会員の欠亡
(4)合併
(5)破産手続開始の決定
(6)所轄庁による設立の認証の取消し

2 前項第1号の事由により解散する場合は、正会員総数の4分の3以上の承諾を得なければならない。

3 第1項第2号の事由により解散するときは、所轄庁の認定を得なければならない。
4 解散のときに存する残余財産の帰属については,法第11条第3項に掲げる者のうちから総会の議決により選定するものとする。

【合併】

第48条 この法人が合併しようとするときは、総会において正会員総数の4分の3以上の議決を経、かつ、所轄庁の認証を得なければならない。

第8章  雑則

【公告の方法】

第49条 この法人の公告は、この法人の掲示場に掲示するとともに、官報に掲載して行う。

【施行細則】

第50条 この定款の施行について必要な事項は、理事会の議決を経て代表理事がこれを定める。

附則

1 この定款は、この法人の成立の日から施行する。

2 この法人の設立当初の役員は、次のとおりとする。

代表理事  吉田 ■■
副代表理事 髙橋 ■■
理事    渡辺 ■■
監事    佐藤 ■■

3 この法人の設立当初の役員の任期は、この定款の規定にかかわらず、成立の日から令和■年■月■日までとする。

4 この法人の設立当初の事業計画及び収支予算は、この定款の規定にかかわらず、設立総会で定めるものとする。

5 この法人の設立当初の事業年度は、この定款の規定にかかわらず、成立の日から令和■年■月■日までとする。

6 この法人の設立当初の入会金及び会費は、この定款の規定にかかわらず、次に掲げる額とする。

(1) 正会員(個人 団体)

① 入会金 ■■■■■■■■円
② 会費  ■■■■■■■■円(1年間分)

(2) 賛助会員(個人 団体)

① 入会金 ■■■■■■■■円
② 年会  ■■■■■■■■円(1年間分)