
こちらのページでは放課後デイの人員要件の詳細についてご案内しております。
障害福祉サービス全般、人員要件は重要です。処遇改善加算にも関わり、配置状況によって収入の増減に大きく影響を及ぼします。また経費の大半が人件費であるのも福祉事業特徴の1つです。
放課後デイの人員要件
障害福祉事業で一番重要な要件でもあります。「人員配置」基準とも呼ばれ、人員の内容、人数は自由に決めて言い訳ではありません。ルールが決まっており、規模に応じた人数、内容の人員を配置しなければいけません。
人員配置の大まかななルールは…
-
- 管理者の配置
- 児童発達支援管理責任者の配置
- 児童指導員、保育士の配置
一般的な人員配置基準モデル
利用者が10名以下の場合
管理者と児童発達支援管理責任者(児発管)の兼務・・・ 常勤 1名
保育士 or 児童指導員 or 指導員・・・ 常勤1名
保育士 or 児童指導員 or 指導員・・・ 常勤or非常勤1名
※利用者が10名以上の場合、利用者5名増える毎に上記人員要件に更に下記内容に該当する1名を配置
保育士 or 児童指導員 or 指導員・・・ 常勤or非常勤1名

管理者の配置

「管理者」とは、その名の通り施設の管理をまとめる職種です。保育園でいえば「園長先生」のような立場の役職です。その仕事は多岐に渡り、事業所の運営やスタッフの管理、外部との連携や問い合わせの対応などを行います。
1施設に1名以上の配置を求められていますが、他の職種との兼務も可能で、児童発達支援管理責任者と兼務が一般的です。
児童発達支援管理責任者の配置
1.児童発達支援管理責任者とは?

放課後デイサービスでは1施設に必ず「児童発達支援管理責任者(通称、児発管)」を配置しなければいけません。指導員との兼任はできませんが、管理者との兼任は可能です。
児発管の仕事は個別支援計画を作成し子どもや保護者の意向、子どもの適性、障がいの特性などを踏まえて作成したり、サービスの提供が始まったあとも経過をモニタリングし、半年に一度は計画の評価と修正を行ったりするのが主な仕事です。放課後デイサービスの現場監督のような存在です。
-
児発管とサビ管の違い は?
-
児童発達支援管理責任者(児発管)とサービス管理責任者(サビ管)は共に障がいを持つ方のために個別支援計画を作成することが主な業務ですが、両者の違いは利用者(障害の方)の年齢です。
- 児発管が18歳未満の子ども(障害児)を対象
- サビ管は18歳以上の大人(障害者)を対象
2.児発管になるには?
児発管になるには、下記の要件をクリアしなければいけません。
- 要件1: 5年以上の実務経験
- 要件2: 基礎研修の受講
- 要件3: OJT研修を実施
児童発達支援管理責任者となるには

(1)実務経験とは
児童発達支援管理責任者になるために「実務経験」が必要です。実務経験がないと『基礎研修』を受講する事はできません。
また実務経験は下記の①②に分類され、いずれかに該当すれば実務経験となります。
- 実務経験5年の計算方法は?
-
業務に従事した期間が5年以上であり、かつ、実際に業務に従事した日数が1年あたり180日以上でなければならない。
【例】「5年以上の実務経験」となるには
業務に従事した期間が5年間で、実際に従事した日数が900日以上(1年180日×5年)となる事。つまり、5年間の実務経験があっても、1年あたり180日以下の勤務日数の場合や、1年あたり180日以上の勤務日数があっても、4年間の実務経験の場合は、実務経験に満たされません。
①5年以上の『相談支援業務』の実務を経験
<ア>相談支援事業に従事する者
-
-
- 地域生活支援事業
- 障害児相談支援事業
- 身体障害者相談支援事業
- 知的障害者相談支援事業
-
<イ>相談機関等において相談支援業務に従事する者
-
-
- 児童相談所
- 児童家庭支援センター
- 身体障害者更生相談所
- 精神障害者社会復帰施設
- 知的障害者更生相談所
- 福祉事務所
- 発達障害者支援センター
-
<ウ>施設等において相談支援業務に従事する者>
-
-
- 障害児入所施設
- 乳児院
- 児童養護施設
- 児童心理治療施設
- 児童自立支援施設
- 障害者支援施設
- 精神保健福祉センター
-
<エ>就労支援に関する相談支援の業務に従事する者
-
-
- 障害者職業センター
- 障害者就業・生活支援センター
-
<オ>学校教育法第1条に規定する学校(大学を除く)において相談支援の業務に従事する者
-
-
- 幼稚園
- 小学校
- 中学校
- 義務教育学校
- 高等学校
- 中等教育学校
- 特別支援学校
- 高等専門学校
-
<カ>医療機関において相談支援業務に従事するもので、次のいずれかに該当する者
-
-
- 病院
- 診療所
-
②5年以上の『直接支援業務』の実務を経験
※ただし、社会福祉主事、相談支援専門員等、保育士、児童指導員、障害者社会復帰指導員等の資格を保有していない場合、8年以上の実務経験が必要となります。
<ア>施設等において介護業務に従事する者
-
-
- 障害児入所施設
- 助産施設
- 乳児院
- 母子生活支援施設
- 保育所
- 幼保連携型認定こども園
- 児童厚生施設
- 児童家庭支援センター
- 児童養護施設
- 児童心理治療施設
- 児童自立支援施設
- 障害者支援施設
-
<イ>事業所等において介護業務に従事するもの
-
-
- 障害児通所支援事業
- 児童自立生活援助事業
- 放課後児童健全育成事業
- 子育て短期支援事業
- 乳児家庭全戸訪問事業
- 養育支援訪問事業
- 地域子育て支援拠点事業
- 一時預かり事業
- 小規模住居型児童養育事業
- 家庭的保育事業
- 小規模保育事業
- 居宅訪問型保育事業
- 事業所内保育事業
- 病児保育事業
- 子育て援助活動支援事業
- 障害福祉サービス事業
-
<ウ>医療機関等において介護業務に従事する者
-
-
- 保険医療機関
- 保険薬局
- 訪問看護事業所
-
<エ>学校教育法第1条に規定する学校(大学を除く)
-
-
- 幼稚園
- 小学校
- 中学校
- 義務教育学校
- 高等学校
- 中等教育学校
- 特別支援学校
- 高等専門学校
-
(2)基礎研修とは
基礎研修は下記の2種類があります。
A: 相談支援従事者初心者研修【講義】
B: サービス管理責任者等研修【講義・講習】
A: 相談支援従事者初心者研修【講義】
《講義 5時間》
障害者の地域支援と相談支援従事者(サービス管理責任者・児童発達支援管理責任者)の役割に関する講義
《講義 3時間》
障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律及び児童福祉法の概要並びにサービス提供のプロセスに関する講義
《講義 3時間》
相談支援におけるケアマネジメント手法に関する講義
B: サービス管理責任者等研修【講義・講習】
《講義 7.5時間》
サービス管理責任者・児童発達管理責任者の基本姿勢とサービス提供のプロセスに関する講義
《講習 7.5時間》
サービス提供プロセスの管理に関する演習
(3)OJT研修とは
OJTは、On the Job Training(オン・ザ・ジョブ・トレーニング)の略です。OJTとは、職場で実務をさせることで職業教育をおこなう従業員の育成方法の一つです。
児童発達支援管理責任者を取得するためのOJTは、基礎研修修了後に「相談支援業務」または「直接支援業務」に通算2年以上従事することが必要です。
OJT期間2年以上を満たすことで、次の実践研修を受講することが可能になります。
(4)サービス管理責任者等実践研修とは
基礎研修およびOJTの期間が終わることで、「サービス管理責任者等実践研修(講義・演習)」を受講することが可能となります。実践研修の研修内容は以下の通りです。
《講義 1時間》
障害福祉の動向に関する講義
《演習 6.5時間》
サービス提供プロセスの管理に関する演習
《演習 2.5時間》
人材育成の手法に関する講義及び演習
《演習 3.5時間》
多職種及び地域連携に関する講義及び演習
3.児発管の仕事内容は?
児童発達支援管理責任者(児発管)の主な仕事内容は下記の通り
-
- 個別支援計画書の作成
- 利用者のアセスメント
- 利用者・家族との面接
- 利用者・家族へ個別支援計画書の説明と交付
- サービス提供者(職員・従業員)に対する技術的な指導・助言
- 支援内容に関連する関係機関との連絡・調整
- 個別支援計画書の作成にかかわる会議の運営
- 個別支援計画の実施状況をモニタリング
- 定期的なモニタリング結果の記録
- 個別支援計画書の変更・修正
- 自立した日常生活が可能と認められる利用者への必要な援助
- 利用者の送迎等
児童指導員、保育士の配置の配置

単位ごとにおいて、当該支援を行う時間帯を通じて専属で当該支援の提供を行う児童指導員または保育士または障害福祉サービス経験者を合計した数が、下記に示す人数の必要数以上、配置しなければなりません。
①障害児の数が10名までの場合、2名以上必要。内1名以上は常勤
②障害児の数が10名を超える場合、障害児の数が11名~15名の場合3名、16名~20名の場合4名を配置。
※5名以下毎に1名を加える必要がある
1.児童指導員とは?
児童指導員とは、障害のある子ども達の生活のサポートや、児童福祉施設にて家庭の事情で支援が必要な子供に対し、社会で暮らしていくための訓練を実施し家庭、障害のある子をサポートするお仕事です。
児童指導員は、先生として、時に親代わりになって、子ども達が将来社会生活を送れるように支援しているということになります。
2.児童指導員になるには?
「児童指導員」という種類の資格はありません。ある条件に該当すれば児童指導員として働くことができ、条件を満たすと児童指導員任用資格があると認められ、働きはじめてから児童指導員を名乗ることができます。
児童指導員任用資格の取得方法
児童指導員任用資格を取得するためには、下記のいずれかの要件に該当する事で任用資格を得られます。
- 学歴要件
- 資格要件
- 実務経験要件
学歴要件【大学、大学院(専門学校)を卒業する】
- 4年制大学の社会福祉学、心理学、教育学、社会学部を卒業
- 大学院にて社会福祉学、心理学、教育学、社会学の研究を行い卒業
- 厚生労働大臣の指定する児童福祉施設の職員を養成する学校か、その他の養成施設を卒業する
※上記のように、指定の学校を卒業すると卒業証書と成績証明書の確認をもって任用資格が得られます。
資格要件【資格を取得する】
- 小・中・高の教員免許、社会福祉士、精神保健福祉士、幼稚園教諭のいずれかの資格保有者
※上記資格を持っている場合、厚生労働大臣または都道府県知事の認定を受けると児童指導員任用資格が得られます。
実務経験要件
- 高等学校卒業した者で、2年以上児童福祉サービスで実務経験がある
- 3年以上児童福祉サービスに従事した者であって厚生労働大臣または都道府県知事が適当と認定した場合
常勤換算とは
福祉事業で人の存在は欠かせません。おおまか「正規雇用」「パート(アルバイト)」のいずれかに分類されます。
人員配置基準で3人配置しなければいけない場合、正規か?パートか?と質問される事がありますが正規雇用、パートで区分する訳ではありません。「常勤」で3人であればOKです。
ではそもそも「常勤」って何?と聞かれる場合があります。ザックリ言うと、下記の要件に該当すれば「常勤」となり、人員配置要件の1名として数える事ができます。
常勤とは…
1日の勤務時間8時間 × 1週間の出勤日数5日以上 = 週40時間の勤務
常勤=正規雇用とイメージされていますが、パートの方でも「常勤」となる場合もあります。
そもそもなぜ常勤=正規雇用を思われているかというと、正規雇用=1日8時間×週5日勤務が大半だかです。即ち、パートでも1日8時間×週5日勤務であれば、「常勤」となります。
ポイントは、正規、パート等雇用形態問わず1日8時間×週5日間勤務であれば「常勤」となる事です。
複数のパートタイマーを常勤とする
事業所には非常勤の方もいらっしゃいます。非常勤とは常勤とはならない雇用形態…つまり1日8時間未満または週5日未満の勤務の場合をいいます。
では非常勤の方は人員要件の数に含める事ができないかというと、そうでもありません。複数の非常勤の勤務時間を合わせて、常勤と見立てることで人員要件として計算する事ができます。
この常勤に見立てる事を「常勤換算」といい、非常勤の雇用契約の勤務時間を基本に計算します。
【例】常勤換算の計算例
人員配置要件で3人の常勤を必要とする事業所の場合
※ここの事業所の常勤は1日8時間×週5日勤務とする。また、労働者は下記4名とする。
- Aさん(正規雇用) 週40時間(1日8時間×週5日勤務)
- Bさん(正規雇用) 週40時間(1日8時間×週5日勤務)
- Cさん(パート) 週25時間(1日5時間×週5日勤務)
- Dさん(パート) 週24時間(1日8時間×週3日勤務)
上記の場合AさんとBさんいずれも週40時間の勤務のため、常勤として2名分となります。しかし、人員配置要件は3人で1人足りませんが、パートCさん、Dさんを常勤換算する事で常勤1名とします。
<非常勤の常勤換算計算>
Cさん 週25時間 + Dさん 週24時間 = 計49時間
49時間 ÷ 40時間(常勤の週労働時間) = 1.224人
即ちAさんBさん計2人 + CさんDさん、常勤換算後 1.224人= 3.224人
人員要件要件3人 < 常勤換算後3.224人 配置で要件クリアとなります。
投稿者プロフィール
最新の投稿
創業融資2022.06.12融資審査のポイント
創業融資2022.06.11創業融資とは…
NPO法人設立2022.06.01NPO法人の認証申請時に必要な書類
一般社団法人設立2022.04.29一般社団法人 定款サンプル